森別邸 細部計画 1.

森別邸 細部計画 1.

石巻、森別邸の続きを。 月に2~3の頻度で現場に通っている。 始まったのが昨年の2月頃、早や1年以上通っていることになる。 さすがに広い庭だ、先日やっとのことで樹木の植込みにメドを立てた。 そこで計画にあたって書いたパー …

大工 中里政義

大工 中里政義

T邸の続きを。 材料の刻みも終わり、いよいよ建て方が始まった。最も緊張する時である。 高さは良かったか、軒の出のバランスは、全体の佇まいは、思考を重ねた設計が現実に迫る。 今さらどうしようもないのだが、この状態を確めるま …

T邸計画について

T邸計画について

若い家族が住むT邸だが、改めて計画について紹介しよう。 建築主はまだ20代後半、それでも木の建築を望まれた。 以前、当地で建てた私の住宅を見て気に入ってくれたらしい。 建築に当たって父上からは、手頃な値段でということを強 …

茶の湯の露地 3.

茶の湯の露地 3.

腰掛けを出て、少し右に迂回するように中門へと向かう。 手前に霰こぼしの延段を打ち、ここでは枝折戸が中門の役を担う。 右に迂回したのは、茶室の妻に掛かる扁額を望むためで、そこからゆっくりと回り込むように、茶室へと向かう。 …

茶の湯の露地 2.

茶の湯の露地 2.

亭主の迎付を受け、客は順次、内露地へと進む。 飛石はやがて小さく、打たれた石を追いながら、足の運びに集中する。 期待に背を押され、歩を進める中に次第に神経が研ぎ澄まされていく。 露地は、浮世から清廉な世界へと導く、脱俗の …

茶の湯の露地 1.

茶の湯の露地 1.

石巻、森別邸の続きを。 敷地の感覚を身体に馴染ませようとするが、漠然とした広さに戸惑う。 手始めに気になる滝口を直し、点在する庭石の除去を命じた。 並行して広間の改築にめどを立て、茶室周りから作庭に取り掛かった。 茶庭は …

材料と加工

材料と加工

木の家T邸の続きを。 まず、施主との間で契約がまとまると、材料集めに掛かる。 一般の工務店ならば、ここで材木屋から木を仕入れることになる。 材木屋だから常に木を揃えているかといえば、今ではそんなことはなくなった。 手持ち …

左座邸四畳半ー2.

左座邸四畳半ー2.

左座邸の続きを。 2方を道路に面した良好な立地である。 ただ市街地のやむを得なさか、東側道路の向かい、南側隣地にも同じく5階建てのマンションが建つ。しかし隣接する西側一帯には住宅地が拡がり、それぞれ区画の大きい瀟洒な家が …

棟梁 大山重則

棟梁 大山重則

木の家T邸の続きを。 工事は、地元八戸の大山建工が請け負った。 私の設計した八戸の家や、仙台Y邸の施工でも活躍してくれたところだ。 木の建築のスペシャリストである。                    社長である大山さ …

森別邸全体計画

森別邸全体計画

石巻、森別邸の続きから。 まず、全体計画の練り直しに取り掛かった。 池と茶室の位置、それに加え、作りかけられた広間棟の配置を考慮しながら計画を立て直す。白紙に計画するより、よほど困難を伴う。現在の状況と余条件を吟味しつつ …