「取り合わせ」
S邸、材料選定の続きである。 広間の床柱を”杉磨絞り丸太”とした。 設計で取り合わせたことだが、材料選定の初日、ひと目見て決めた。 少し派手な印象を受ける丸太だが、そこは天然物。 柔らかな落ち着きがある。 絞り丸太は面つ …
材料の「見立て」
S邸。契約が整うとすぐに材料調達に入る。山口邸と違って数寄屋ともなると集める材料も細かい。宮本さんが慎重に集めてくれた。 地元の材料を中心に集めて貰って構わない、と事前に伝えていたが、木目がどうしても粗くなるとの理由から …
棟 梁(2)
新五十鈴茶屋の続きを。 敷地東側、五十鈴川に面して建つ喫茶棟、この棟を受け持ったのが池正建設の堤棟梁だ。 一見取っつきにくい寡黙な人だが、素晴らしい仕事をする。 工事当初、担当の監督が私との仲介役をしていたが、病で途中離 …
棟 梁
新五十鈴茶屋も現場が大詰めに入ってきた。 連日多くの職人さんが入り、仕上げ工事に余念なく立ち働いてくれている。ほとんど常駐に近い状態で現場に詰めているが、細やかな部分の納まりやら、細部の寸法調整、仕上がり具合の確認など、 …
白木と色つけ
色つけの話にそれてしまった。 もう少しこのことについて触れたいと思う。 実は私も色を付ける当初はものすごく戸惑いを感じた。こんなきれいな材料を何で塗る必要があるのか、と随分疑問に思った。 そう思う背景には、やはり自分の中 …
色を決める
プランが決まれば、施主最大のハードルが色決めといってもいい。 外壁、屋根、アプローチ廻りの外部から、各部屋の床、壁、天井へと続く。 初めてのマイホーム、ともなれば自分のことなど客観的に見られるはずもない。 通常の家だと、 …
上り框と露地
S邸、1階は店とバックヤード。それに2階への玄関を設けている。 代替わりで店を引継ぐことから、今までの顧客との違和感ないコミュニケーションがとれるよう、改装前と大きな変化はつけていない。 こだわったのが小上がりだった。 …
信念と茶室
『茶の湯サロン S邸』 紹介にあたって、まずは計画について述べよう。 S君。彼も今では結婚し3人の元気な子供の父親だが、 結婚式での彼の挨拶がふるっていた。 「特定の人が競う茶の湯でなく、多くの人が楽しめる茶の湯をやって …
人の縁
昨年”木の家ネットワーク”の全国大会が伊勢で行われた。 私は関係者でも参加したわけでもないが、縁深いこととなった。 福岡の仕事で紹介した「建築工房 悠山想」の宮本さんは”木の家ネット”の重鎮、これに参加するため伊勢を訪れ …
屋根仕舞い
山口邸の続きです。 山口邸、屋根のフォルムが美しいですね。 建方が終わると先に屋根を仕舞います。 仕舞うというのは”屋根を掛ける”ということで、建物にとって何よりも雨対策が一番です。 棟木・母屋までが載ったら …