棟 梁

棟 梁

新五十鈴茶屋も現場が大詰めに入ってきた。 連日多くの職人さんが入り、仕上げ工事に余念なく立ち働いてくれている。ほとんど常駐に近い状態で現場に詰めているが、細やかな部分の納まりやら、細部の寸法調整、仕上がり具合の確認など、 …

白木と色つけ

白木と色つけ

色つけの話にそれてしまった。 もう少しこのことについて触れたいと思う。 実は私も色を付ける当初はものすごく戸惑いを感じた。こんなきれいな材料を何で塗る必要があるのか、と随分疑問に思った。 そう思う背景には、やはり自分の中 …

色を決める

色を決める

プランが決まれば、施主最大のハードルが色決めといってもいい。 外壁、屋根、アプローチ廻りの外部から、各部屋の床、壁、天井へと続く。 初めてのマイホーム、ともなれば自分のことなど客観的に見られるはずもない。 通常の家だと、 …

上り框と露地

上り框と露地

S邸、1階は店とバックヤード。それに2階への玄関を設けている。 代替わりで店を引継ぐことから、今までの顧客との違和感ないコミュニケーションがとれるよう、改装前と大きな変化はつけていない。 こだわったのが小上がりだった。 …

信念と茶室

信念と茶室

『茶の湯サロン S邸』 紹介にあたって、まずは計画について述べよう。 S君。彼も今では結婚し3人の元気な子供の父親だが、 結婚式での彼の挨拶がふるっていた。 「特定の人が競う茶の湯でなく、多くの人が楽しめる茶の湯をやって …

人の縁

人の縁

昨年”木の家ネットワーク”の全国大会が伊勢で行われた。 私は関係者でも参加したわけでもないが、縁深いこととなった。 福岡の仕事で紹介した「建築工房 悠山想」の宮本さんは”木の家ネット”の重鎮、これに参加するため伊勢を訪れ …

屋根仕舞い

屋根仕舞い

山口邸の続きです。 山口邸、屋根のフォルムが美しいですね。 建方が終わると先に屋根を仕舞います。 仕舞うというのは”屋根を掛ける”ということで、建物にとって何よりも雨対策が一番です。 棟木・母屋までが載ったら …

茶の湯サロンを

茶の湯サロンを

いま福岡通いが続いている。 茶道具商を営む友人の店の改装である。 1階が店舗、2階に茶室、3階では料理教室を開くことになっている。 ご両親が建てられた建物で、彼もこの店で育った。(写真、改装前) 彼は高校卒業後、お父さん …

パートナーがいればこそ

パートナーがいればこそ

設計者の書く図面をもとに、着実に建築化していくのが現場監督である。 ひと昔前は大工の棟梁が兼ねていたが、建築の社会性が拡大した現代ではなくてはならない存在といっていい。 工事全般はもとより、様々な能力が求められる仕事だ。 …

ミリと尺

ミリと尺

建築には付きものの尺度の話を。 建築は寸法によって作られる。これが建築の宿命でもある。 彫刻や絵など、ひとりの人間の力や感性の表現で成り立つ芸術がある一方、建築の場合、多くはそういうわけにはいかない。 大勢の人の”手”の …