新五十鈴茶屋計画について(4) <外観>

新五十鈴茶屋計画について(4) <外観>

それでは、実際を見ながら紹介していこう。 写真のまずさはお許し願いたい。少しずつ進める。 敷地北西角よりの姿を望む。 向かって正面に赤福、それと直行する形で五十鈴茶屋が建つ。この両棟の間を縫って中庭へと繋がっていく。周囲 …

木を腐らせない

木を腐らせない

山口さんの顔が次第に硬直してきた。・・・ように感じる。 仕事がなかなか進まない・・・・・。 工期が遅れることが確実になった。 S邸と同じ、どうすることもできない。若い大工の2人が一所懸命なのだ。 中西専務も時々現場を覗い …

茶室回り造作

茶室回り造作

樋口さんがいよいよ2階の造作に掛かりだした。 寡黙な仕事の姿勢は、終始変わらない。 S君も心配げに見守っている。 実は、大分工程から遅れているのである。 宮本さんも気が気でないはずだ。当初想定していた内装工事の領域を、遙 …

新五十鈴茶屋計画について(3) <主旨2>

新五十鈴茶屋計画について(3) <主旨2>

それでは、全体の配置の概略を述べよう。 敷地は33m×70mのほぼ長方形。南側に志摩へ繋がる県道が走り、東に面しては五十鈴川を望む。 北側が市営駐車場で、続く西側は、おはらい町への街路になっている。 従って敷地北西角は、 …

「心意気在中」

「心意気在中」

S邸、着々と進行中である。 店舗小上がりとあわせて、玄関へと仕事は進む。 樋口さんが下地窓を編みはじめた。 壁の下地となる部分を、そのまま現していることから通称”下地窓”と呼んでいるが、壁を塗り残すことから、別名”塗り残 …

新五十鈴茶屋計画について(2) <主旨1>

新五十鈴茶屋計画について(2) <主旨1>

続きを。 それらを背景として計画に入った。     1,伊勢の玄関口としてふさわしい建築でありたい。     2,五十鈴川へ抜ける動線を作り出したい。     3,多くの人が集える場所にしたい。 建築として、まずこれは乗 …

新五十鈴茶屋計画について(1) <序>

新五十鈴茶屋計画について(1) <序>

計画から含めて3年近く、このたび新五十鈴茶屋が完成した。 地下を備え、上階に木造建築が連なる。 上屋の木造部分だけでも延べ450坪。 木造建築に携わるものにとって、これだけの木の命を預けられたことに、改めて威儀を正さざる …

古材をつかって

古材をつかって

先々代、山口さんにとってはおじいさんが建てた以前の家、覚えてますか。 実は解体したとき、その古材を山口さんが少しとっておかれました。 戦後間もなく建てた家だそうで、山口家3代にわたっての生活が刻まれた家と聞いております。 …

ひかりつけ

ひかりつけ

S邸茶の湯サロン、久しぶりに進捗報告を。 いよいよ現場が動き出した。 町中の商店街という立地条件のため、工事に難航を極める。 作業車が停められない、資材の搬出入問題、作業場が取れない、などなど。 当初から想定していたもの …

主張しない仕事

主張しない仕事

続きを。 「何で一番大事なところから積むんだ」、監督の岡本さんに詰め寄った。 石組みの当日、いきなり石を運び出したので思わず叫んだ。 中庭に入って最初に目がつく井戸周り、ぶっつけ本番でいきなり大事なところはないだろう。も …