料亭の建築 12 椅子席~露地
アプローチ脇には椅子席を設けている。 気軽な気持ちで嵯峨野を知って戴きたい、と若女将の思いが発端だった。 建設中の仮店舗が椅子席主体なこともあって、初めての客も多かったという。 日本のもてなしに、今や椅子式は欠かせなくな …
料亭の建築 11 玄関
これまでの嵯峨野は全館が土間で繋がり、各座敷で靴を脱いでいた。 中庭を囲んで土間廊下が巡っており、関となるものを感じない気楽さがあった。 熟慮の末、このたびは入口に玄関を設け、ここで靴を脱いで上がる形にした。 新生嵯峨野 …
料亭の建築 10 建物と外観
建物の説明をしよう。 南北に長い敷地で、東側に道路が取り付き、西に那珂川が面している。 客が通る座敷は全て1階に配し、各室から川の眺望が得られるよう、またそれぞれの部屋が庭に面するよう敷地全体を使って纏めた。 …
料亭の建築 9 陣立と木材
工事は株式会社淺沼組九州支店に決まった。 大手を交えた入札も半数が辞退、福岡といえども大工、材料揃えは難しいと実感した。現場説明会で最も好印象だったのが淺沼組営業山崎輝夫で、これは施主も同意見だった。 決まる背景に人あり …
料亭の建築 8 プロローグ
福岡の料亭が、今月初め竣工を迎えた。 設計から関わること3年あまり、この間、紆余曲折もあったが、多くの協力を得て思うような形で引き渡しができた。 これまで途中経過を綴ってきたが、完成した姿とともに改めて詳述したい。 …
川沿いの家見学会
こちらで紹介させていただいている「川沿いの家」が無事完成し、このたび見学会を開くこととなりました。 川沿いの家完成見学会 詳細は大山建工さんのHPで紹介されておりますが、 16日~18日の見学会の中日、17日には前田が現 …
府中I邸ー1
梅雨明けした途端、刺すような日差しが連日照りつけている。 現場に出るときに比べ、暑さは机に向かう方がつらい。 先ほど、福岡の料亭も無事竣工を迎えた。 ホッとするのも束の間で、帰る早々溜まった仕事に日々追われている。 …
石巻の仕事 2.
樹に元気がないな、そう思っていたらやはり塩害だった。 震災当時、少ないところでも3日間、海水に浸かるとこうなるのだと知らされた。 先が赤くなった矢先に葉が落ち、次第に枯れていく。 現場に行くたび、それは広がっていった。 …
第30回三重県建築賞
日が照ると蒸し暑さを感じるようになって参りました。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。 さてこのたび、第30回三重県建築賞に、おかげ横丁西玄関棟が入選しました。 17日が表彰式ですが、築1年の節目に朗報です。 …
料亭の建築 7 村山組の仕事
現場も最後の大詰めに入った。 岩切所長の焦燥をよそに、先が見えてきたせいか出入りの職人には笑顔が伺え、幾分の達成感が現場を包んでいる。 最後の難関が左官で、今日も朝から所長と頭を抱えていた。 …