上徒士町の家ー竣工4

キッチンの背後にはユーティリティとして洗面、トイレを設けるとともに、建物北側には浴室から脱衣室、家事室とが一直線につながる。ご夫妻とも仕事を持たれていることから、なるべく家事動線を短く、それを機能的に接続させることで、家事労力の軽減を図った。

<浴室から脱衣室を見る>

子供を育てるための、家における家事の役割は極めて大きい。当たり前の暮らしは、それを支える家事労力があってこそのことで、昨今では夫婦で分担することが大きくなったものの、いまだ夫人の負担が大きいのが実際だろう。それらをいかに効率的に、手早く済ませられるかは、住宅を考える上でも決して避けてはならない課題である。

<脱衣室に続く家事室を見る>

東北の冬は、曇天から雪が舞うのが日常で、洗濯も外には干しづらい。家事室は洗濯スペースと室内干し、その後のアイロンがけや靴の洗浄、裁縫などが集約してできるようスペースを設けた。それを脱衣室の造り付けタンスに収納するのをひとつのシミュレーションとした。これも当初からの夫人の要望で、幾度もやり取りしながら具体像を結んだ。

<リビングに続くスタディコーナー>

また家事室奥には、リビングとつながるスタディコーナーを設け、家事の合間や帰宅後の時間に机に向かえるスペースも設けている。ごく小さな空間ながら、接続を上手く取ることで有意義な空間が生まれる。

充実した使い方には部屋のスペースも必要な要素だが、動線を的確に構築することも、機能的に大きな要素である。また簡略化された動線は、住みながらも自由に動き回れ、それが暮らす人の自然な動きになっていく。

(つづく)

前田