第3回埼玉建築文化賞最優秀賞

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は小欄をご覧戴きありがとうございました。
本年も相変わりませず宜しくお願い申し上げます。

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                <東京S邸 家族室外観>
正月の行事も終え、今日から机に向かいだした。
年頭早々仕事の依頼が入ったりと、今年も多忙な歳となりそうだ。
仕事に甘えずおぼれず、さらなる飛躍が出来るよう取り組みたい。
昨年末のことだが、第3回埼玉建築文化賞、最優秀賞の一報が入り、本欄でも紹介した「東京S邸」が受賞した。
基本設計で2年近くを掛け、若夫婦と膝を交えて取り組んだ思い出の建物で、施主共々大いに喜んでいる。
周辺は良好な住宅地で、敷地の大きさを利用して2世帯住宅としている。敷地の東南角には、樹齢100年は越えようという桜が2本残されており、この年老いた桜を生かして計画に取り組んだ。
役所からも、この桜は是非残して欲しいと依頼されたものだが、花の勢いは老いてますます盛んで、毎年綺麗な花を楽しませてくれる。家中どこからもこの桜が目に入るよう計画した。
詳しくは、審査講評ともども小欄紹介記事を参照いただきたい。

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                <東京S邸 家族室内部>
現代に生きる木の建築を作る。
それを信条に、これからも邁進していきたいと思う。
本年もいい仕事ができるよう体調を整え、多くの人と巡り会うことを楽しみにしている。
叱咤激励のほどを、お願い申し上げる次第である。
  (前田)
第3回 埼玉建築文化賞 作品展
開催期間:平成28年1月14日(木)〜1月18日(月)
     10:00〜18:00(最終日は16:00まで)
会場  :埼玉県さいたま市浦和区東高砂町11-1
     コムナーレ9階(浦和パルコ上階)
入場料 :無料
主催  :一般社団法人 埼玉建築士会

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              <東京S邸 2階リビング>
<審査講評>
良好な住宅地に建つ2世帯住宅は、老桜を含む豊かな庭を囲むように配置され、東京都でありながら四季折々の自然を感じられる住環境にある。
常に外部を意識した木の家は、施主の思いを建物の随所に、設計者と施工者がこだわり造り上げたものとなっている。
大きく跳ね出た軒先に大きな開口部といったパッシブなデザインは省エネルギーに配慮され、家族が集う家族室は書院をあつらえた純和風のたたずまいに、太鼓梁を使用した小屋組みに、化粧屋根裏天井や和室→雨戸→回廊→外部といった空間構成、玄関ホールには竿縁天井、化粧垂木に透かし階段、吹抜け格子や書院障子を施すなど、新築ながら昔の文化を感じる温かみのある建物となっている。