師走に入り、既に10日が過ぎた。
今月は出張続きで、家にはほとんど帰っていない。
月内に完成させる現場があるせいか、良い緊張感に包まれている。
21日まではこれが続く。
<南部の家 リビングを見る>
南部の家が完成に近づいた。
建物はほぼ工事も終わり、建具や格子を残すばかり、家具類も少しずつ揃ってきた。車庫も入れると平屋で100坪超とあって、やはり大きい。
東西に長い敷地で南に道路が取り付き、その向こうには田畑が広がる。人家は離れているため、植樹で隠せば、ここはまさに別天地となる。田畑の向こうには穏やかな丘陵と林が続いていて、室内からの借景が美しい。
材料は全て地元産の木を用い、施主所有の山からも伐りだし調えている。
庭もおよそ出来上がり、最後の調整を待つばかりとなった。
塀と門がこれからで、年明け3月に完全竣工を目指す。
<南部の家 滝口から流れ>
昨年の千葉に続いて、こうした庭園をもつ邸宅を手がけたが、建築と庭との接点はやはり難しい。互いが乖離しては意味を失するし、馴染ませる呼吸が作り手の中で醸成していないと、簡単には繋がらない。
特に高さのレベルをどう採るかは重要で、全体の完成を描けないと決められない。今回は池や水路があるため、一層レベルの設定が難しく、その矛盾をうまく庭が納めてくれた。
竣工の折りに、改めて全体を通して紹介したい。
東北はもう冬支度で、風は身体を突き刺すように痛い。
そういえば紅葉を見てなかったと、冬枯れの山を目に帰ってきた。
(前田)