学会作品選集に選定

相変わらず事務所は、昼夜ともにバタバタした空気です。
昨日まで東京で引渡しと思ったら、明日は福岡へ。
山形で仕事が決まったり申告の時期とも重なったりで、目下戦争状態です。
改めてご機嫌伺います。

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                 <五十鈴茶屋俯瞰>
このたび、日本建築学会作品選集2010に、五十鈴茶屋が選定されました。親しい方には昨年末にお知らせしましたが、先日発表になりました。
学会員の作品発表の場として、多くの応募から選ばれたものです。
選考基準として、
1)計画、構造、環境、設備および材料・工法技術に関する設計の論理性
2)社会性、歴史性、文化性から見た地域環境への適合性
3)外部空間、内部空間の両面における造形
4)設計全般にわたってのオリジナリティ
5)地球環境保全に対する配慮、および建築物のライフサイクルに対する取り組み
上記の5項目に照らし合わせて、建築作品が選考されます。
選定数は100作品以内となっており、すぐれた作品に与えられるものです。

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                <五十鈴茶屋中庭夜景>
これを契機に、さらなる良い建築の創造のため、事務所一丸となって参ります。
今後ともお引き立てのほどをお願い申し上げます。
  (かりの)
作品選集選評より
五十鈴茶屋は、伊勢神宮(内宮)の鳥居前町であるおはらい町の入口にて、五十鈴川を正面に迎える敷地に建てられた現代のお休み処である。
おはらい町は伊勢市まちなみ保全条例に基づいて、その歴史的景観が再生されてきたが、伝統的建築物の設計に関して豊富な経験を持つ設計者は、まずこの景観との連続性に配慮している。
そして、精通している伝統的意匠を上手に引用しながら、新しい造形の創出にも取り組み、両者の全体的なバランスをとりながら、三重県産の木材を豊富に利用した、現代木造建築群として実現させている。
また、隣接する五十鈴川との連続性にも配慮し、開放的な中庭に段差を設けて徐々に地盤高を上げながら、利用者が五十鈴川の堤に自然にアクセスできるよう配慮している。
五十鈴茶屋は、平成25年に予定されている伊勢神宮の式年遷宮を前に、おはらい町の入口に生まれた新しいランドマークとなり、多くの参拝客に利用され賑わいを生んでいる。