パートナーがいればこそ

設計者の書く図面をもとに、着実に建築化していくのが現場監督である。
ひと昔前は大工の棟梁が兼ねていたが、建築の社会性が拡大した現代ではなくてはならない存在といっていい。
工事全般はもとより、様々な能力が求められる仕事だ。
 契約に基づく工事金額を、実際の工事に沿って予算を組み直すマネージメント能力
 多くの職種が入って作り上げていく、建築ならではの人の手配と統率力
 種々の建築材料の仕入れと調達。 常に素材に対する勉強は不可欠であり
 加えて、工事に対する安全の確保や、近隣への対応など・・・・
 ・・・その仕事は多岐に渡る。
その上で、図面から設計意図を読み取り、設計者との意思疎通を図りながら施工図を書き、各職方に命令を下す。
時には設計者の目で、時には棟梁の厳しさで職人と接する。
それはまさにオーケストラの指揮者であり、建築のスペシャリストである。

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新五十鈴茶屋は、志摩の高山建設が工事を請け負っている。(HP参照)
監督の小河さん(写真上)との二人三脚も10年を迎える。
私の想いや作り方、細かい納めから私の好みまで、全てを知っていてくれる。
果敢な造形に挑戦しようとするとき、いつも傍らにいてくれる小河さんは心強い味方である。

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岡本さん。高山建設の次代を担う人だ。
新五十鈴茶屋では現場所長を務め、工事関係者はもちろん、施主側も多くの人が関わる本工事での対応や、オーナーとの打ち合わせなど誠意溢れる尽力を頂いている。
かつては自身でノミを奮う大工でもあり、木の仕事への思いは熱い。
決して嫌な顔を見せず職責に邁進する姿に、芯の強さを感じさせる大事なパートナーである。
互いの持つ目と思想を共有できなければ、良い建築など出来るはずもない。
これらの人に支えられて私がいる。
 (前田)