ご無沙汰しております。かりのです。
風邪だとばかり思っていましたら腸閉塞で病院に担ぎ込まれました。
しかし、もう大丈夫です。ブログも日にちが空いてしまい、申し訳ありません。
(選定業者・(有)扇光の中西専務さんです)
さて、前回実施設計の了承を得ました山口邸。
これからはいよいよ業者選定に向けての段取りに入ります。
施主の推薦業者、我々サイドからの推薦業者の合計5社で見積もりを取ることになりました。
9月15日:現場説明
見積もり依頼業者を呼び集め、設計図面を渡して見積もりを依頼しました。
山口さんも初めてのことです。終始緊張した面持ちです。
その後、山口さんから突然方位についての相談がありました。
風水師に家相を見てもらったところ、洗面水回りが鬼門にあたると判明しました。
これには少々慌てました。また一から図面の引き直しかと気分が落ち込んだ訳です。
しかし、家の重心(家の最も中心となる地点)が風水師が示した位置と実際にズレがあり、
至急重心を出して方位を載せたところ問題なし。
一同ホッとしました。
家相については気にされる方、気にされない方と様々ですが、
なかなかに無視できないところもあるように思われます。
建築関係者は割とこういうところはきっちりとしています。
それは、信じるとか信じないということではなく、人様の人生に自らが関わることへの自戒や、
大地や大樹へ直接杭を打ち込む行為への畏怖といったところではないでしょうか。
ちなみに、私は気にするタイプです(笑)
【確認申請提出】:見積もりが出る前に【確認申請】を提出します。
これは、建築行為をするには、行政に建築確認申請をとる必要があるからです。
9月29日:業者から見積もりが提出
見積もり金額と施主との予定金額に相当の開きがありました。
施主の山口さんは愕然となりました。
前田さんがノリにノリまくった図面ですから、当然と言えば当然なのですが、
このままでは泡の城となってしまいます。
これからの業者との折衝も設計士の腕の見せ所です!
【確認申請受理】:行政から申請の受理がされました。
これでいつでも書類の上では建築を建てることが可能です。
さて、依頼業者は見積もりの中でも一番安く、しかも信頼できる方を選別しました。
これからその業者と交渉を重ね、施主・業者・設計サイドの納得のいく建築を
造り上げていきます。
まず、多少図面で書きすぎた(ノリすぎた)箇所を変更。
材料の選別・工法の選び方などの交渉を重ねました。
しかし、なかなか了承を得られないまま3週間が経過してしまいました。
施主の山口さんからすればこの期間が一番不安な時期だったのではないでしょうか?
ついに、(奥さまこだわりの)ダイニング部分を削り、少しでも床面積を少なくして
工事金を減らしたいとおっしゃって来られました。
実は、これはよく施主さんが落ちるブラックスポットなのです。
床面積の減少=工事金の削減
図式にしたら単純明快。理路整然。簡単明瞭な解決策です。
しかし、そういう場当たり的な解決方法は本来の設計主旨をゆがめ、
後々に絶対悔いを残す事になるのです。
現状プランでどこまで歩み寄れるかを検討するべきだと説得して了承いただきました。
そして、選定業者さんにはお互いに誇りの持てる仕事をしようと投げかけ、
両者意気を合わせて仕事に望むことを条件に、やっとお受けいただきました。
ご無理な建築条件ですが、精一杯の誠意でお受けくださった業者さんは
伊勢市東豊浜在住の(有)扇光さん。
伝統的な木造を中心にきちんとした仕事を数多くされていらっしゃる工務店さんです。
仕事を受ける経緯は、是非とも一度扇光の中西専務さん(写真貼付)ご本人から
伺ってみたいと思っています。
また、最終的には工事金額も公開する予定でおります。
10月30日:工事契約 私たちも立ち会いました。
契約には奥さまやお二人のお子さまも同席されました。
ご夫妻にもやっと安堵の表情が見られました。
お子さん達も自分の部屋を持てることで嬉しそうです。
きっとこの日のこと、一生忘れないでしょうね。
奥さまにも笑顔が見られた佳き日でした。
(かりの)