山口邸基本プラン

小正月も明け、何となく気ぜわしかった日常がいつものリズムに戻りつつありますね。
さて今回は基本プランの紹介です。
先日、山口夫妻との打ち合わせで煮詰められた案をもとに、再度考えてみたものです。
山口邸の特徴は、何といっても150坪という恵まれた土地の広さ。これを設計者としても是非活かしていきたいものです。・・・ということで、
   
   ・土地の広さを活かし、庭を有効に活用できるようにする
   ・将来、子供が巣立っても変わらない住まい方ができる
   ・家族との生活はもとより、夫婦としても充実した生活が営める
このコンセプトをもとに基本設計、平面プランを考えました。
まずは1階の平面図です。(マウスオン・クリックで拡大されます)

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【駐車場】 「将来を考えて4台」 
       4台スペースが取れたのもこの土地の広さ故です。
       しかし、車を見ながらの食事では意味がありません。
       居住空間に駐車場が浸食しないよう、西側にまとめて配置しました。
【和室】  「和室は10畳ほしい」 
       広さ的には何の問題もない山口邸です。
       ただ、客間のように個室化した和室とならないよう、
       普段から使える空間としてリビングと繋げました。
       和室は矩の手に縁廊下を回して庭につながっています。
       和室とリビングの、室内から見る庭の視点を異ならせることで
       室内から外部を含めた空間に、奥行きを与えたいと思いました。
【キッチン】 「キッチンはL字型に」・・・・奥さまの第一希望です。 
       またダイニングは、キッチンはもとより他の空間と連続しながらも
       できれば独立した空間として確保したいですよね。 
       女性なら誰もが思っていることだと思います。
       通常LDKとひと括りにいわれますが、本来くつろぐための
       リビングと食事をとるダイニングは、性格の違いからも
       ある程度の距離感を設けた方が望ましいでしょう。
       またB案の時には離れていた、キッチンとサニタリー空間を密接さ
       せることで家事動線の短縮を図りました。
【風呂】  女性がキッチンにこだわるのに対して、
      男性はお風呂に思い入れが強いように思います。
      B案では浴室とトイレにしか面していなかったバスコートを、
      洗面所からも眺められるようにしました。
      その代わり、B案でご主人さんが大変気に入っておられた坪庭は、
      このバスコートに変わりました。
      こちらを坪庭風にしていただけたらと思います。
      坪庭を眺めながらの入浴。なかなか癒されそうです。
【寝室】  家族の動線と離れた場所として、夫婦の寝室は玄関の近いところに。
      これも最初の案と大きく変わりませんが、、ご主人のお気に入りだった
      坪庭の場所に、玄関と寝室の収納を持ってきました。
      これで奥さまご要望のように、充分な収納が確保できます。
      また南面に専用の中庭を設けることで、ご夫妻のプライベートな空間を
      より充実させることができたと思います。
      どのようにお使いになるのか楽しみです(笑)。
次は2階の平面図です。

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【子供室】 「南向きに」 
       B案で西向きに配置していた2部屋を、両室南向きにしました。
       またリビング上部の吹抜けを通してつながることで、
       家族の気配を一体に感じ取ることができるように・・・・。
そのほか、奥さまよりバルコニーの要望あり。
  ・・・・・矩の手に広く設けています。
また一般の方で、なかなかこの設計(平面図)だけで建物の概略をお分かりになる方は少ないですよね。建物の雰囲気をご理解いただけるように、併せてリビングの室内パースを提出。
ご夫妻ともこの絵を見た瞬間、大きく夢が膨らんだようです。

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リビングがこの家の要。ここにいれば家中の雰囲気が感じられる、そんな場所です。リビングは屋根の構造をそのまま見せた吹抜け。大きな丸太の梁がこの空間の象徴です。
キッチンとはカウンター越しに繋がり、ダイニングも空間としては連続しながらも、独立した空間として構成されます。またそれぞれの空間が庭に繋がって、より広い空間が演出されればと・・・。
リビングはこのように2階と繋げることで、子供室と互いに気配を共有することができればいいですね。
6月末、この計画案によりご夫妻から無事に了承を得ることができました。
まずはひと安心・・・。
次回は、山口邸外観のご紹介です。玄関・和室のパースも併せて紹介します。
いよいよ山口邸全容がお分かりになると思います。
  (かりの)