平成18年5月初旬、この日初めて施主の山口さんとお会いしました。
「家族の住まいとして新たに新築したい」というお話をお聞きし、設計の相談に。
まずは、山口さんが今までどのようなスタイルで生活をしてきたのか、また新しい住まいに向けた夢をどのようにお持ちなのか、雑談を交えながら上手く聞き出すことも設計者としての腕の見せ所です。
そうした山口さんとの初顔合わせでしたが、互いにうち解けて話すことができ、
快く設計の依頼をお受けすることとしました。
山口さんとのお話を要約すると以下のとおりです。
・大きな木をふんだんに使った木の家
・家族みんなが集まってくつろげる大きなリビング
・近所の寄り合いに使うことが多いので、多人数が寄れる和室
・夫婦の寝室は1階、子供部屋は2階で各室6畳程度
・車2台分の駐車場
という内容でした。木には相当こだわりがあるようで、しっかりした木造建築を求めている姿勢が伝わってきました。
当初のこのような与条件は、計画をする上でのあくまでも必要条件であって、これから具体的な打ち合わせが進む中で、お施主さん自身も気づかない希望や要望が現れてくるものです。
その意を酌み取り、形にしていくことが設計の大事なところだと思います。
早速顔合わせ後、山口さんの敷地を拝見しに伺いました。
先代が住んでいた建物は伊勢の伝統的な建物(掲載写真)で、桁を支える腕木が立派で印象に残るものでした。(これは再利用するつもりです)2階の手摺りや戸袋などの意匠が繊細で、昔の職人の粋で確かな技術を伺わせるものでした。
しかし、建物自体の老朽化は著しく、確かにこのままでは育ち盛りのお子さん2人を抱える家族が、快適に過ごすには問題ありと感じられました。
また土地が道路よりかなり下がっているのが気になります。
それらのことを踏まえ、早速立ち返り計画案を作成。
5月末に第1回計画案提出。
さて、次回はその計画案を元に、初めて奥様を交えたご夫妻との打ち合わせについてです。さらに女性の視点からみた要望が加わっていきます・・・・。
(かりの)