火鉢の似合う住宅を

 今日は先日の「新五十鈴茶屋」と平行して紹介していく予定の、一般住宅のお施主様から掲載のお許しを得て、今回より順を追って皆様にお伝えしていこうと思います。

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 お施主様のお名前は山口様とおっしゃいます。30代のご夫妻で、小学校に通われる男の子と女の子の4人家族です。
 山口さんが所有しておられる土地は、西側に道路が隣接する150坪あまりの先祖代々住み続けてこられたものです。瓦屋根が軒を連ねる、伊勢の昔ながらのただずまいを残す集落の中に位置しております。
 近所には山口さんのご親戚・ご縁類の方が多数住まわれ、先代が住んでおられた家のことなどは、施主のご主人よりも遙かに詳しい方ばかりというご環境です。
 代替わりをされて心機一転、家を新築することを決意され、私どもの方に設計を依頼されました。設計依頼の詳しいいきさつについては、後ほど詳しく山口さんから直接記事にしていただく予定です。
 
 さて、山口さんの住宅のご要望は「木造で」ということで決めていたご様子ですが、とりわけ奥様は昔の町屋や古民家が大好きで、ご友人と京都にまで町屋をご覧に行かれるほどの方です。タイトルにあります「火鉢の似合う住宅を」というのは、奥様から設計に当たっての私どもへの第一声でありました。
 
 12月22日、山口さんご家族の夢と希望を、それを私どもが上手く形にできること、そして何よりも工事の安全を願いつつ滞りなく地鎮祭が行われました。
 実は、住宅はここを迎えるまでが一つの山場なのです。施主・設計者・施工者の三つ巴の「夢と理想と現実」の葛藤があって、はじめてこの地鎮祭が迎えられるのです。
 この経緯については次回からゆっくりと・・・・・
 (かりの)