歳末を迎え

気がつけば師走も残り僅かとなった。
先日、府中I邸を引渡し、そのあと石巻で仕事をして、今は新幹線の中でこれを書いている。年末ぎりぎりまで仕事が詰まり、慌ただしさだけが背中を押している。
余裕を持って年の瀬を迎えたいと念じながらも、一向に改まることがない。

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                 <伊勢醤油本舗本店>
今年は何といっても震災に尽きるだろう。
昨日、石巻の庭に植える枝垂れ桜を見に行った。石巻市内から少し離れた場所だったが、市内はずれのその光景は、震災そのままに時間が止まっていた。
打ち上げらた船の数々、家屋の倒壊、瓦礫の山々。
復興の姿が多く映像で流されているが、実際には進まぬ地域がこのようにある。
妹夫婦が福島にいるせいもあって、とても他人事とは思えない。
1日も早い復興を心から祈っている。
今年もさまざまな仕事をさせて頂いた。
小欄でも数件紹介したが、どれも心に残る仕事だった。つい忙しさにかまけがちだが、終わってみると日々いい仕事をと問いかける大切さを、改めて気づかされる。
絵は伊勢のおかげ横丁に作った、伊勢醤油本舗の本店である。
醤油蔵に小さな台所をつけて店とした。慌ただしい工事だったが、9月末の開店以来、好調な滑り出しと聞く。
今年は伊勢の仕事が紹介できなかったが、来年からは大きな仕事も控えていて、遷宮を前にして次第に活況を呈してきた。
年明けにも、改めて紹介していきたい。
新春早々から図面を引かねばならないが、今後もひとつの仕事を大切にと気持ち新たに取り組む覚悟である。
本年のご芳情に深く謝し、来る歳も変わらぬご鞭撻をと、伏して願い上げる次第である。
 (前田)