以前紹介した八戸のT邸が、建設新聞社発行の『建設新聞暑中特別増刊号』に掲載されました。
第2回あおもり産木造住宅コンテストで最優秀賞を受賞したことによるものです。
<T邸夜景>
まだ20代の若いお施主さまのご要望は、「木をふんだんに使った家」をというものでした。
しかしそれは、ただ木を使えばいいということではありません。
また木を使った家に、ただ住みたいということでもないと思います。
生きている木を使い、木に身近に触れながら、私たちが生きている現代の暮らしを楽しみたいということでしょう。
また家は、家族の成長とともに育っていくものだと思っています。
それは人と家との関わり方でもあり、そこから育まれる愛情があってのことだと思います。
そういう家を提供するためにも、私たちは木を知り、木に馴染み、木を使いこなすことから真剣に取り組まねばなりません。
命ある木を使い、家を作らせて戴いている人間の、最低限の努めです。
先日T邸のお施主さまから新たに増築の相談を受けました。
家での仕事場と車庫の増築です。
提案した形は、横に繋げて幅を持たせ、正面性を強調しながら全体を構築し直したものです。
今の建物を下敷きに、新たな姿に生まれ変わります。
現在工事の準備をしているところで、これが完成すると、さらにバージョンアップするのではと期待しています。
<T邸増築計画案>
設計を通したそれらの過程では、私たちもいろいろと教えられることがあります。
人との出会い、技術が育む造形の魅力、人を育み成長させてくれる建築の力。
私たちもこの素晴らしい仕事に長く携わっていけるよう、日々精進して参ろうと思います。
(かりの)