前田さんの講義を紹介中に失礼します。
暮らしと室礼についてお話させて頂くのに、先日とてもいい経験をさせていただきました。
今日はちょっと寄り道をしますので、お許し下さい。
前田さんの京都の友人に、河村さんという方がおられます。
貝葉書院という経本・講本を商うお家で、現在でも木版手摺りで作られている御店の若当主です。
その歴史は古く、「一切経印房」という屋号を掲げ、書店として営業を始めたのは1681年。300年来のお家柄の家です。京都はその意味でも古いお家がいっぱいあって、私たちにはとても想像が及びませんね。
貝葉書院さんのHPはコチラ
今回ご紹介させていただくお話は、この貝葉書院さんの室礼についてです。
さて、いきなりですが日本三大祭りとは何かご存じでしょうか?
そうです、祇園祭(京都)、天神祭(大阪)、神田祭又は山王祭(東京)ですね。
実はそのうちのひとつ、河村家の祇園祭のお手伝に京都へ行って参りました。
祇園祭というと、皆さんのイメージは17日に行われる山鉾巡行の、
こういうイメージだと思います。
ですが、実際祇園祭というのは、7月1日から31日までの、7月いっぱい行われる行事全般のことを指します。
中でも私がお手伝いをさせて頂いたのは、17日の山鉾巡行の後に行われる神幸祭でした。
神幸祭というのは、山鉾巡行で浄められた四条寺町にある御旅所へ、八坂神社からの御神輿が各氏子町を練り歩く神事です。
本当は、こちらが本来の八坂さん(祇園祭)の中心行事なんですね。
昼間の煌びやかな山鉾が、コンチキチンのお囃子でまったり廻る巡行と違い、勇壮果敢です。
さてこの神幸祭、御神輿が中御座神輿(なかござみこし)・東御座神輿(ひがしござみこし)・西御座神輿(にしござみこし)と3基あります。
そしてこの3基を、約1000人の男衆の担ぎ手で練り歩くのです。
3基の御神輿は、途中氏子の家で「なかだち」をします。
「なかだち」とは、つまり休憩のことです。
その一軒に、河村家の貝葉書院があります。
この河村家には、3基の内の”中御座御輿”がなかだちに立ち寄られます。
中御座御輿には八坂神社のご神体であります、素戔嗚尊がお召しになられており、そのため、お稚児さん・中御座の宮司様・東、西御座の宮司様という蒼々たるお方がご一緒に付き添われ、なかだちされるのです。
と同時に、中御座御輿の担ぎ手も休憩に入られるということで・・・・・・
こうして参加するのは初めてでしたが、訪れた祇園祭の室礼に感動しました。
(調度などブログの内容ともシンクロしますし)
ただ、それが一体どういうことなのか。
そのことについて、あまり深く考えていなかったのですが・・・・
さて、次回はこの河村家の祇園さんの室礼と祭の内部を、紹介しようと思います。
京都という古い歴史を持つ町で、実際に生活と密着した室礼です。
永くお家が続くということはこういうことなのかと、身を以て知った次第です。
(かりの)