いつもブログにお立ち寄りいただき、厚く御礼申し上げます。
暮らし十職の前田です。
このたび、私たちのホームページを刷新いたしました。
未熟ながらも自分のスタンスを示すものが出来たのではないかと思っています。
これまでの主な作品も並べ、皆さまの御叱正を仰ぐことも今後の糧になるものと、敢えて掲載いたしました。
ご高覧賜り、併せてご批評いただければ幸いです。
私は伊勢に来るこれまで、京都でお世話になってきました。
数寄屋では日本の第一人者であります中村昌生先生のもと、仕事に勉強にと貴重な教えを頂きました。特に間近で接する先生の”ものづくり”の姿勢は厳しさそのもので、日本のカタチが生まれた背景を垣間見るようでした。膝下におりました今から10年前、先生と赤福の濱田益嗣前会長とのご縁が、伊勢に活動の場を与えて頂くきっかけとなりました。
濱田会長からは建築を通して、楽しみを含んだ日本文化の広大さと、暮らしに息づく知恵の深さを教えていただきました。床の間の飾りものだけが日本文化ではないのだということを、身を以て示して下さったと思っています。
こうして今日を迎えられますのも、恩師お二方のおかげと心より感謝しています。
「前田 伸治+暮らし十職」 http://kurashijisshoku.jp/
「暮らし十職」
皆さんには耳慣れない言葉かも知れません。
濱田会長からいただいた名に、中村先生から理念の言葉を頂きました。
この伊勢には良い職人さんが沢山います。
昔気質、といいましょうか、日本に伝わる当たり前な仕事をする人たちです。
この人たちを大切に、その技術を私たちの生活に結びつけようと模索する中から、この「暮らし十職」という言葉が生まれました。
京都には、”千家十職”と呼ばれ、お茶の家元に代々道具を納める職人の組織があります。今でもそれは健在で、家元を支える大切な方々です。
しかし私たちの身の回りの道具は、お茶の世界に限ったことではありません。
かつて私たちの周りには、名も知れぬ職人が作ったものが溢れ、日本の暮らしを支えてきました。それが今では、買い揃える生活が当たり前になり、暮らしに合わせてものを作るなど、もはや考る人も少ないでしょう。既製の形に自分の好みを慣れ合わせる生活は、私たちが本来もっている創造力をも奪ってしまったようです。
「作る」、ということには未知の可能性があります。
それはカタチを生みだすことです。
思いをぶつける果てに、初めて沸き上がってくるものなのです。
それがモノを「作る」ということであり、“自分を刻む“ことなのだと思います。
住む家はもちろん、思いを刻んだ「自分好み」は、きっと暮らしを豊かにすることでしょう。
その思いを受け止め、カタチに意匠を与えて、新たな価値を創造するのが私たちの仕事です。人の暮らしを見つめ、価値ある“暮らしを作りだす”。
それが私たち「暮らし十職」の願いです。
私たちの背景には、手仕事で応えてくれる職人衆もいます。
お互い手を携え、しっかりとした仕事とともに歩んで参りたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
暮らし十職 前田伸治