山口邸の続きです。
山口邸、屋根のフォルムが美しいですね。
建方が終わると先に屋根を仕舞います。
仕舞うというのは”屋根を掛ける”ということで、建物にとって何よりも雨対策が一番です。
棟木・母屋までが載ったら垂木(たるき)打ちです。
その後、野地板を張ってアスファルトルーフィング(防水工事用アスファルトと組み合わた防水効果の高い防水層)、瓦桟(桟瓦を引っ掛けるために屋根下地に横材を打つこと)を打っていよいよ瓦葺きとなります。
幸いなことに、建方から屋根が伏さるまで雨らしい雨に当たることはありませんでした。
折角の材料に雨は当てたくないものです。
雨だれの汚れや材料の割れ、雨水が木口に入り込むと仕口関係が心配になるからです。
しかし、そんな心配をすることもなくこれたのは、きっとご夫妻の普段の行ないの成果なのでしょうね。
現場のほうも大半の瓦は葺き上がりました。
あとは梶川さんの鬼(鬼瓦)待つだけです。いま焼いているのだそうです。
この屋根に掛けられる梶川さんの鬼瓦。
きっと全ての邪気から山口家を守ってくれることと思います。
さて、ここで以前から話していました若い大工のお二人を紹介しましょう。
中野さん
村林さん
この二人が墨付けから一環してやってくれています。
実は上棟の後、前田さんと山口さんも含め大いに呑んだそうで、前田さんに
「さすが! 若い職人は強い」
と言わせるほどいける口のようです。
また、それだけではなく、大工という仕事に誇りを持ち、
ひたむきに生きる姿を見せられた思いがしたとも言っていました。
呑みながらの仕事の話は尽きることがなく、どうやら深更にまで及んだようです。
中西専務曰く、「二人とも性格が違う」そうですが、何となくその意味するところが分かったとも言っていました。
お酒の効果ですね。
きっとお二人はお互いに研鑽し合っているのでしょう。
写真からでも分かる目の輝きがそれを裏付けていますね。
(かりの)