へっつい

久しぶりに新五十鈴茶屋の進捗を少々。
今日は皆さんにはちょっと珍しいもの・・・を紹介します。
これ、何だか分かりますか?  
”へっつい” です。薪を焚いて湯を沸かすもの。実際に今でも使うものなんです。

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この写真はまだ下塗りの段階、未完成のものですが、今こちらで作っています。
これを良く乾かせて釜を掛ける輪を取付け、上塗りの磨き漆喰を塗ります。
手前の小さな穴が煙突の立つ場所。釜は3連に並び、手前が大きく次第に小さな釜へと据えられます。
常時は真ん中の釜で火を焚き湯を沸かします。火の熱は煙突へと逃げるため、手前の大釜の水をその熱で温めます。湯を使えば次第に少なくなりますが、その時にこの暖まった大釜の水を順次移していくわけです。貴重な薪を大事に、効率よく湯を沸かす知恵です。
また水は高きから低きに流れるので、水を継ぎ足す釜の方が、湯を沸かす釜より高く据えられます。使い勝手への配慮ですね。燃え残った薪は消し壷に入れられ、翌日の焚き付けや火鉢に用いられます。全てに始末良く大事に使われるんです。まさに日本の知恵なんですね。
今の時代では、このようなへっついを使うこと自体、めっきりなくなってきました。便利な時代だといえばそれまでですが、そこからは到底このような知恵は生まれませんよね・・・・・。実は私も伊勢に来て教えていただいたんです。結して偉そうなことはいえませんが、中に隠された日本の知恵は本当に素晴らしいものと感心します。どういう形であれ受け継がれることを祈らざるを得ません。
完成しましたら是非見に来てください。
飯を炊く”くど”も作りますので・・・・。
  (前田)