三沢の数寄屋<竣工13 ー数寄屋に思うー>

三沢の数寄屋<竣工13  ー数寄屋に思うー>

数寄屋には、粋の要素もあると思っている。粋について語れるほどの持ち合わせはないが、なまめかしさや艶っぽさと聞けば、ある種の憧憬を感じてしまう。粋は日本人独特の概念といわれているが、とても崇高で、たどり着くことに挑ませる魅 …

三沢の数寄屋<竣工12>

三沢の数寄屋<竣工12>

和室棟はこの家のひとつの中心である。正面玄関からも西玄関からもアクセスでき、この家のハレの場をつかさどる。3室つなげた部屋をと施主から聞いたとき、大きすぎないかと不安に思った。この地の本家として、節目の時には親類縁者など …

三沢の数寄屋<竣工11>

三沢の数寄屋<竣工11>

応接室前の廊下を見る。西玄関から入って左に進むと手前に応接室、廊下突き当りの襖を開けると和室への入側となる。この丸窓の外が、水鏡を通したシアタールームになって、応接室もシアタールームも、常に使われる部屋ではないことから、 …

三沢の数寄屋<竣工10>

三沢の数寄屋<竣工10>

若い家族のLDKとなる。キッチンは平天井として、左手の壁一面には、造り付けの食器棚を設けた。その裏がシアタールームになっていて、この食器棚が防音の役割を果たす。この家のパブリックな床は、すべて赤松の縁甲板を張った。岩手県 …

三沢の数寄屋<竣工9>

三沢の数寄屋<竣工9>

シアタールームから中庭の水鏡を見る。施主のたっての要望でシアタールームを設けた。大きな家だが、庭に面する外周は限られる。プライベートな個室も数があり、加えてパブリックな空間を南面させたいと思うと、外に面するのは難しい。そ …

三沢の数寄屋<竣工8>

三沢の数寄屋<竣工8>

数寄屋はわが国で生まれ、床座が主体の空間だった。しかし、現代においては椅子に座る暮らしが普及し、部屋には常に家具が置かれ、居場所が定められた生活スタイルになって久しい。 数寄屋は茶室を指す言葉として生まれながらも、後年、 …

三沢の数寄屋<竣工7>

三沢の数寄屋<竣工7>

この建物は数寄屋といえど、丸太はほとんど使っていない。雪対策として強靭な架構を作らねばならないこともあるが、青森の地は木材の宝庫で、原木を調達させて頂くこともあり、製材した木材で数寄屋を表現してみたいと思った。また丸太を …

三沢の数寄屋<竣工6>

三沢の数寄屋<竣工6>

あたりをつけて入れた松も、見当通りに納まった。芝庭にふくらみをもたせ、正面玄関とは異なる広々とした玄関庭を目指した。敷地南西に向けてかさ上げしたレベル差を、紅葉の裏に組んだ石垣で解消し、その石垣で紅葉山を際立たせた。松の …

三沢の数寄屋<竣工5>

三沢の数寄屋<竣工5>

滝口の前から建物を望む。庭の中心となるこの場所に立つと、建物の全貌が望まれる。建物を雁行させながら、それぞれの棟を屋根で形づくり、軒の高さを抑えて低く穏やかに連続させる。屋根の造形は大切で、棟ごとに細やかな主張を持たせな …

三沢の数寄屋<竣工4>

三沢の数寄屋<竣工4>

苑路に入ると一転して広々とした豊かな空間に包まれる。庭と建築がひとつになった内外一体の空間が展開する。建物回りは土縁といって、外側に下屋を差し掛けた土間空間を巡らせ、建物から庭に向けて手を差し伸べるがごとく、また庭も建物 …