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府中I邸

府中I邸

東京都 府中市

敷地面積
470.12m2
建築面積
129.42m2
延床面積
184.03m2
構造規模
木造2階建
施 工
株式会社 大山建工
福清緑化(庭園)

府中市の閑静な住宅街に建つ。依頼を受けたのはまだ若い夫婦で、木の家を熱望されてのことだった。初めて訪れた時は以前のお家が残っており、昭和初期に建てられたと思われる、確かな木造建築の姿があった。

亡くなられたお父様が、こうした木の家に造詣の深い方だったようで、ご夫妻お母様ともども、皆さんよく木をご存じだった。基本設計に入って要望を聞くと、心から木の家が家族にとって必要だということが強く伝わってきた。そこで示したのがこのプランで、ほとんど即決だった。それでも1年間通って互いの疎通を図り、実施設計、工事入札へと進んだ。

途中、私の作る現場にもお越し頂き、家の作る過程や本質的なことなども理解頂いたように思っている。

庭には想い出深い柿の木が残っており、これを中心に計画を進めた。全室に光が行き届くようにとの思いから鍵型のプランとなった。

玄関を入るとすぐに和室があり、隣接して茶の間を繋げた。当初の聞き取りで、リビングにしますかと尋ねたら、すぐに茶の間という答えが返ってきた。いまは何でもリビングに収斂させてしまうが、こうした思いが自分らしい家となっていく。その茶の間には、続けてダイニングを配し、ここを大きく吹抜いて薪ストーブを置き、家中の暖を取るようにした。各室を鍵型で繋げ、そこを綴じたり開いたりしながら、自由に空間を繋げることで3世代にわたる家族の将来に備えた。

工事は青森の大山建工にお願いした。材料検査に行ったおり、木材を見たときの施主の笑顔は忘れられない。それだけ思いが深かったのだろう。

庭は既存にある植樹を全て使って欲しいという要望に応え、建築工事に掛かる前、全て今の配置に植え替えた。あっという間に日本庭園が出現したのには施主も驚いていた。

府中I邸

前田 伸治
暮らし十職 一級建築士事務所

Shinji Maeda & Kurashijisshoku Archiects Office

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