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千葉W別邸

千葉W別邸

千葉県 松戸市

敷地面積
845.23m2
建築面積
242.87m2
延床面積
226.87m2
構造規模
木造平屋建
施 工
株式会社 大山建工

松戸市郊外に構えられた別邸である。施主はことのほか日本文化に造詣が深く、これまで集められた銘石や銘木を駆使して日本庭園を造られていた。当代一流の庭師による作品は各所のディテールも見事で、さまざまな木々の息づかいまでもが聞こえるほどだった。

まだ完成していたわけではないが、作庭途中で話があり、この庭に相応しい建築をと依頼された。

敷地は広いものの、建物に裂ける場所は極めて限られた空間で、その中でこの庭に相応しい形を導き出すのは至難だった。考えに考えを重ねて7案を持参し、最後に残ったこの形で決まった。

細かな表情を持つ庭に対峙するには、数寄屋の繊細さでなければと思い、全棟を数寄屋でまとめた。庭を周遊する通路があるため、建物は四方から眺められる。そのためプランの段階から気が抜けなかった。

表門から坂を上がるようにアプローチして玄関に至る。玄関屋根と重なるように主屋の妻を見せ、静かな中にも動きをねらった。玄関は敷瓦を四半に敷き、松の式台が迎える。廊下からリビングに入ると大きく吹抜いた勾配天井となって、ソファーに座すとパースペクティブのように、入側の屋根裏から庭へと焦点が向かう。続きの和室は矩の手に畳廊下を回し、外に大きな濡縁を設けた。濡縁を支える角の束下には寺院の伽藍石が据えられ、池と建物を繋ぐ点景となっている。

建物を雁行させることで、屋根が流れるように軒先を巡らせ、下屋づくりにした陰影が建物に表情を与える。

また各部屋からも庭園との一体が図られるよう、庭の作りを建物に取り入れるべく、窓の配置や高さにも意を払って纏めた。

千葉W別邸

前田 伸治
暮らし十職 一級建築士事務所

Shinji Maeda & Kurashijisshoku Archiects Office

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