紙の継ぎ目

紙の継ぎ目

やっと完成が見えてきた、茶の湯サロン。 現場の葛藤7ヶ月、携わった全ての手が、実を結ぼうとしている。 S君は早くも開店のことで、頭がいっぱいのよう。 いよいよ夢の舞台が出来上がる。 樋口さんは最後に、つくばい脇の手摺仕事 …

いつか棟梁となる日

いつか棟梁となる日

そろそろ大工仕事が終わろうとしている。 通常の住宅の現場では、随分と長い間、となるのだろうか。 心労を掛けた専務と、若い2人の大工を囲んで、先日の現場帰りに一席もった。 「イキがいい」、まさに2人にはその言葉がピッタリく …

新五十鈴茶屋計画について(6) <茶屋>

新五十鈴茶屋計画について(6) <茶屋>

赤福のへっついを横に、通路は中庭へと抜ける。 へっつい上の吹抜も、中庭に行くに従って低く屋根に覆われる。 深く差し出された軒は建物の影を色濃くし、そのコントラストが陽の当たる中庭を、一層まぶしく輝かせる。 その通路に面し …

下地窓

下地窓

「これはダメだ・・・・・・」 玄関の下地窓を見た途端、思わず呟いてしまった。 しまった・・・、隣りに宮本さんがいるのを忘れ、つい口を滑らせた。 S邸、玄関のことだ。 工期の遅れは工務店の損害である。それを承知で良い仕事を …

夏の山口邸

夏の山口邸

連日の猛暑。最高気温続出の毎日です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて、久しぶりに山口邸の現場に行ってきました。 夕方の5時過ぎに行ったのですが、職人さん方はまだ黙々と作業中でした。 その日は朝から太陽が照りつけ、夕 …

新五十鈴茶屋計画について(5) <赤福・茶屋>

新五十鈴茶屋計画について(5) <赤福・茶屋>

西側外観を望む。 左に赤福、それに続く形で茶屋が繋がる。 茶屋との間には抜けが作られ、中庭へと結ばれている。 その通り土間に接した正面に、へっついが座る。おはらい町通りから、また車で走る県道からは、まずこの外観が飛び込ん …

受け継ぐもの

受け継ぐもの

改めて紹介しよう。 S君こと、左座喜男さんだ。 完成前に紹介して迷惑をかけてはいけないと思い、敢えてS君としたが、彼もこのブログの愛読者で、近親者に紹介もしているらしい。そうならば却って匿名では失礼かと思い、昨日伺いを立 …

新五十鈴茶屋計画について(4) <外観>

新五十鈴茶屋計画について(4) <外観>

それでは、実際を見ながら紹介していこう。 写真のまずさはお許し願いたい。少しずつ進める。 敷地北西角よりの姿を望む。 向かって正面に赤福、それと直行する形で五十鈴茶屋が建つ。この両棟の間を縫って中庭へと繋がっていく。周囲 …

木を腐らせない

木を腐らせない

山口さんの顔が次第に硬直してきた。・・・ように感じる。 仕事がなかなか進まない・・・・・。 工期が遅れることが確実になった。 S邸と同じ、どうすることもできない。若い大工の2人が一所懸命なのだ。 中西専務も時々現場を覗い …

茶室回り造作

茶室回り造作

樋口さんがいよいよ2階の造作に掛かりだした。 寡黙な仕事の姿勢は、終始変わらない。 S君も心配げに見守っている。 実は、大分工程から遅れているのである。 宮本さんも気が気でないはずだ。当初想定していた内装工事の領域を、遙 …